2001年6月4日にネズミ講(正確にはマルチ商法)の被害に遭ったスヤマタクジです。
今回はその時に関するお話し。

その前にマルチ商法・ネズミ講とは?

マルチ商法とは?

今回のお話しをする前に、まずはマルチ商法・ネズミ講の解説から。
分かっている人はここは読み飛ばして問題ありません。

マルチ商法とは連鎖販売取引の俗称のことで、ネットワークビジネスと呼ばれることも。
ネズミ講は無限連鎖講と呼ばれ、こちらは法律で禁止されています。

マルチ商法とネズミ講の違いは商品があるかどうか。
ネズミ講は入会金という名の出資金を上から下に転がすだけ、マルチ商法・ネットワークビジネスは商品販売を行います。

マルチ商法・ネットワークビジネス自体は違法ではないのですが、そのシステムを悪用する悪質業者や販売者が多いのがこのビジネスの問題。

マルチ商法・ネットワークビジネスは、自分が良いと思った商品を口コミなどでおすすめし、それが売れたら売上の一部がもらえる。
自分が紹介して入会した人が売上を挙げたら、その一部も自分の売上(額は下がりますが)となるシステムのこと。

悪質なマルチ商法とは、儲かるとか言ったり、言わなくてもそれらしい雰囲気で勧誘し、特に必要ない商品を買わせるものですね。

僕が被害に遭ったのがこの悪質マルチ商法(最初はネズミ講と勘違いしていました)
詳しくは以下の僕の体験談を読んでみてください。

出会い系でマルチ商法・ネズミ講の販売員と会う

人見知りだけど女の子と知り合いたい23歳当時の僕は出会い系にはまっていました。
携帯で無料で使えるやつですね。

その無料出会い系で出会ったのがマルチ商法の女性販売員です。
現在の有料恋活サイトなどと違い、身分証の提出なども必要なかったので、こういった人達にとっては格好のカモの狩場だったのでしょうね。

良いアルバイトみたいなものがあると教えられる

その女性販売員に執拗に聞かれたのが現在の悩みと夢について。
なんだかおかしいなと思ったのですが、女の子と仲良くなるためと、芸人をやっていてアルバイトで生活費を稼ぐのが大変だということを話しました。

そこでそれなら良いアルバイトみたいなものがあると教えられたのです。
ただ、どんなバイト?と聞いても、『それは私の口からは言えないから一度セミナーに来てみて。』の一点張りでニコニコ顔をするのみ。

まあ、それなら一度話しぐらい聞いてみるか(女の子とも仲良くなれるかもしれないし)と思ったのが運の尽きでした!

セミナーに連れて行かれ、ひたすら内容は隠して勧誘される

で、その日にさっそくセミナーに連れて行かれました。
時間と場所を向こうが指定してきたのはそのためだったのですね。

セミナーが始まる前の時間に会社に近い場所で会い、うまくいけばそのまま連れて行くという流れですね。
セミナーではネットワークビジネス(この業者ではこの呼び方ですが会社によっては違う)のシステムのみを紹介。

上でも少し触れましたが、自分が商品を売ればその一部が売上になり、自分が連れて来た入会者が売っても金額は下がりますが売上が入るというシステム。

ただ、具体的にどういった仕事を行うかは一切教えてくれないのですよね。
『しかも、あなたのことを考えて言えない。でも、全力でサポートするから安心して。』の一点張りで。

こんな怪しさ満点なのに、普通のバイトより楽かも&スケベ心から入会してしまったバカな僕。
これを書いていても、あの時の自分を殴ってやりたい!と思うほどの馬鹿さぶりです。

入会と同時になぜか商品を買わされるハメに

そして、入会と同時に仕事の種明かし。
美容器と健康食品を売って稼ぐことが判明しました。

しかも、売るためには自分が使ってないとダメという理由で、それぞれ自分で買わないといけない。
美顔器50万円・健康食品3箱セットで20万円をっ!?

そんなお金はないし、自分は美顔器や健康食品はどうやって売るんですか?と聞いても、『サポートするから大丈夫!すぐに元は取れるよ!』の一点張り。

やっぱり怪しさ満点なのに、やっぱり信じて受け入れてしまうバカな僕。
この時は店頭かどこかで美顔器や健康食品を売る割の良いアルバイトぐらいに思っていました。

ローンが組めないので消費者金融でお金を借りることに

で、契約書も書いて、いざお金の支払いをどうするかと思ったら、すぐそこにある消費者金融でお金を借りることにっ!?

ちなみに、この時の僕は消費者金融のこともよく分かっていませんでした。
芸人の稼ぎがなく、フリーター扱いの僕は信用がないのでローンは組めないとかで(入会させておいてローンが組めないとはどういうことだ)

後になって思えば、自己破産してお金が回収できないことを怖れて、お金が無さそうな人にはみんなそう言ってたのかもしれませんね。
しかも、消費者金融の手続きは非常に早く、しかもフリーターに70万円も貸し出しとか、もしかしたらグルだったんじゃないかと。

心変わりしないように周りの人には言わないように念を押される

契約が終わり一旦家に帰ることに。
ちなみに、ここまで来てもまだ仕事の詳細は教えてもらえません。

一人になって冷静になった時、そして人に相談して反対されて心変わりしないように、人には相談しないように念を押さえれます。

『何も知らない周りの人に相談したら絶対に反対されるから、あなたのためにも絶対に相談しないで。』と、うるうる瞳の上目遣いで。

なので僕はこう答えました。
『うん!』と。

返品できないように講習会の名の元に使用させれられる

さっそく次の日には商品が用意され、再び悪質マルチ商法業者に行くことに。
そこで商品講習会の名の元に、返品できないように使用させられます。

この時は気付かなかったのですが、後で返品を申請したときに、使用済みのものはNGと突っぱねられたので。
クーリングオフの期間なら良かったのでしょうが、その時はすでにクーリングオフの期間は過ぎていましたからね。

また、心変わりしてクーリングオフを行われないように、暇があったら会社に来るようにも言われました。

仕事内容はひたすら知り合いに声をかけてセミナーに連れて行くこと

ここまでしてやっと仕事の詳細が明かされます。
その詳細とは、知り合い全員に声をかけて自分と同じようにセミナーに連れて来ること。

さすがにこれはおかしいと思いましたね。
友達に美顔器や健康食品の販売するのも抵抗がありますし、何より友達が少ない僕はそれだとすぐに売る相手がいなくなるからです。

『そしたら、次は関係は薄くてもいいから知り合いに声をかけて。卒業名簿を見て電話をかければいいんだよ。』
これはさすがに納得できませんでした。

なぜなら、僕は人見知り&電話が苦手だから!(そっちっ!?)

登録証を取らせ正統性があるように思わせる

おかしいとは思いつつも、すでにお金を払っているのでここで辞めるというわけにもいかずに会社には通い続けていました。
この頃はクーリングオフで返品できるということも知らなかったのですよね。

そして、次に外部の講習を受講(有料)して登録証を取らされました。
免許証みたいなカードを発行され、これはちゃんとした仕事感を演出するためなんでしょうね。

調べてみると、マルチ商法・ネットワークビジネスを行うのに特に資格は必要ないみたいですし。

非常にテンションが高い集会が毎日のように開かれる

悪質なマルチ商法・ネットワークビジネスって、集会にかなり力を入れているのですよ。
それこそ毎日のように行います。

金銭的な自由と夢を実現できるといった内容をいろんな形で伝えてきます。
今振り返ると、そうやって洗脳していき、高いモチベーションを維持していくのが狙いでしょうね。

人は興奮状態にあると洗脳にかかりやすいですから。
人見知り&集団が苦手な僕は集会が嫌で嫌で堪りませんでしたが。

1回1万円の講演会を月1回強制的に受けさせられる

これも嫌だった!
月に1回、必ずその悪徳業者の社長?会長?みたいなおじいさんが講演会を行うのですが、これがクソつまらなかった!

しかも、毎回同じ内容の話しを1時間ほどするし。
これを1万円払って毎月行くなんてどんな罰ゲームだよっ!と。

つまらなすぎて途中で寝る人などもいるのですが、そうすると幹部みたいな人が襟首掴んで外に引きずり出して大説教。
軍隊かっ!?

途中からなんとか行かないように断ろうとしたのですが、そうすると『それじゃあ稼げるようにならないね』などと複数人でプレッシャーをかけてくるイジメ状態。

この講演会を受ける度に、『なんでこんなことをしているんだろう?』という気分になりました。

人見知り&友達が少ない僕が成功するわけがない

結局、僕は全然稼ぐことができませんでした。
最初は言われた通りに内容を何も言わずに友達を誘ってみたのですが、セミナーの後に友達にブチ切れされまして。

当たり前ですよね。
その友達には本当に悪いことをしました。

それに懲りて、マルチ商法側には黙って本当の内容を伝えて誘うようにしたのですが、もちろんそれでは来る人はいません。
逆に『そんなことはすぐに辞めた方がいい』と説得される始末で。

たまにちょっと面白そうだからと来る人もいましたが、その人達もただ面白がってセミナーを受けるだけで、一切入会するとかはしませんでしたし。

なかには『これって詐欺ですよね?』とかガンガンマルチ側に切り込む人もいて、その後に僕を誘った女性や幹部に説教を受けるという踏んだり蹴ったりな状態になることも。

すぐに少ない友達が底を尽き、次は卒業名簿などを使って関係が薄い人に電話をかける段階になりましたが、人見知りな僕がそんなことが出来るわけもありません。

消費生活センターに駆け込む

結局、僕は3ヶ月で辞め、消費生活センターに駆け込むことになりました。

その時には、最初に買った商品代・その後に稼げるようになるためと言われて買った追加商品・3ヶ月間の生活費(毎日マルチ会社に顔を出していたのでバイトなどが一切できなかったので)など、借金がかなり膨れ上がっていました。

ネットで調べ、消費生活センターがこういった悪質マルチ商法・ネットワークビジネスの被害から助けてくれるという情報があったからです。

これで助かった!と思っていたのですが、世の中そんな甘いものではないですね。
悪質マルチ商法の被害は、言った言わなかったの証拠がない争いなるので、裁判をしてもまずは勝てないらしいです。

『まずは書面で抗議してみましょう』と言われ、以下の画像は僕が送った書面に対して返ってきた業者側の回答書です。

マルチ商法の回答書です。

文章が長く読みづらいと思うのでまとめると、

あたかも言われた・やられたと正当化していますが、常識的に考えてそんなことがあるはずありませんよね。他人のせいにして自分勝手なことを主張していないで、これを機に社会規範と自己責任を身に付けてください。

といった内容のことが書かれています。

いくら証拠がないからと、エライ強気な発言ですよね!
約15年ぶりに読み返しても腹が立つぐらいです!

ボイスレコーダーを忍ばせて証拠取ってやろうか!と思うほどです(現在はその会社はもうないですが)
また、こんなことをしても、『会員が勝手にやったこと』と、会社はその人だけを切り捨てるだけなんでしょうね。

借金が返せないので自己破産することに

結局、お金は返ってこず、残った借金はフリーター兼芸人の安月給の僕には返せない。
消費生活センターに進められ、自己破産をすることになりました。

自己破産については以下の記事でまとめています。

騙された方も悪い!とはもちろん言わないが

よく騙された方も悪いと言う人もいます。
なかには騙された方が悪いなんて言う人もいますし。

この意見は大反対です!
悪いのは完全に騙した方で、そもそも人をだます詐欺行為は犯罪ですからね。

捕まらないグレーなやり方であろうが詐欺は詐欺です。
ただ、僕に自分を守る力がなかったという点は認めないといけません。

当時の僕は子供ではなく、すでに23歳の大人。
日頃から自分を守る情報をしっかりと収集していれば、今回のことは回避することができました。

情報弱者になるとこういったことが自分の身や周りに降りかかっても守ることができない。
よく稼ぐためには情報が必要だと言われますが、守るためにも情報は必要です。

情報収集を放棄するということは、こういった守りも放棄するということは覚えておきましょう。